第 146 回 PTT のお知らせ
日時: 1989年 10月 25日 (水) 18:30 から
場所: 早稲田大学理工学部 59号館 4階 情報科学研究教育センター会議室
(山手線新大久保駅下車.改札を出て右にしば
らく歩いていくと,右側にダンキンドーナツが
あるので,その向かい側の道に(左折して)入る.
しばらく行くとつき当たるので,右に曲がりす
ぐまた左に曲がって進む.すると,早大のテニ
スコートがあるので,右手にコートを見ながら
行き,塀の切れ目を入る.10分程度です.)
話題: Yet Another Programming Environment: VUE
話者: 落合大 (早大理工)
内容:
OSからの独立,ユーザ・インターフェースの
統一といったことに重点を置き,特にUNIX
やXウィンドウ・システムの知識を持たないよ
うな初心者を仮定して,X上で稼働するいくつ
かのプログラミング支援アプリケーション群を
構成した.これらを総称して VUE(Visual User
Environment)と呼ぶ.
食事:
今回はありません.
次々回:
1989年 11月15日 (水) 農工大 (予定)
葉書の残りは 枚です
差出人、幹事:
東京大学工学部計数工学科 岩崎英哉
第146回PTT報告
日時:
1989年10月25日
場所:
早大理工59号館4階情報科学研究教育センター会議室
出席者:
赤池 英夫(電通大),
倉部 淳(富士ゼロックス),
石井 博(小の技研),
佐口 泰之(富士ゼロックス),
伊知地 宏(富士ゼロックス),
鈴木 悦子(津田塾大),
岩崎 英哉(東大),
鈴木 義章(電通大),
小川 貴英(津田塾大),
武内 和昭(電通大),
角田 博保(電通大),
多田 好克(電通大),
筧 捷彦(早大),
寺田 実(電通大),
粕川 正充(東工大),
森山 茂男(電通大),
(50音順)
話者:
Yet Another Programming Environment: VUE
話題:
落合 大(早大理工)
あらまし:
1. はじめに
UNIXの下で稼働するX Window Systemが供給するアプリケーションの中で,最も頻繁
に使用されるのはターミナル・エミュレータである.しかし,ターミナル・エミュレー
タは最もOSに依存したアプリケーションでもあり,これを用いて作業している限り,利
用者は絶えずOSのことを意識していなければならない.また,XもVersion 11からユー
ザ・インターフェースを構成する道具群X Toolkitが用意され,統一された操作を様々
なアプリケーション間で共有することができるようになった.しかし,ターミナル・エ
ミュレータを代表とするXのアプリケーション群も,X Toolkitを用いて構築されている
にもかかわらずインターフェース部が完全に統一されているわけではなく,したがって
利用者は個々のアプリケーションごとに異なった操作方法を覚えなければならないとい
う煩わしさがある.
以上のような背景の下,OSからの独立,ユーザ・インターフェースの統一ということ
に重点を置き,X上で動作してプログラミングを支援するいくつかのアプリケーション
群を構成した.これらを総称してプログラミング環境VUE(Visual User Environment)と
呼ぶ.
2. プログラミング環境VUEの構成
VUEの構成にあたり,以下のようなアプリケーションと機構を用意する:
・頻繁に使用される特定のファイル操作,ディレクトリ操作コマンドやファイル編集
コマンドを実行し表示するための専用のウィンドウを開くアプリケーション,
・ターミナル・ウィンドウに表示されるべきシェル・コマンドの実行結果を表示する
ための専用のウィンドウを開くアプリケーション,
・コンパイラの起動やmakeコマンドの実行を行い,ターミナル・ウィンドウに表示さ
れるべきエラー・メッセージを表示するための専用のウィンドウを開くアプリケー
ションを呼び出す機構,
・作成された実行可能ファイルの実行を行うための専用のウィンドウを開き,そのロ
グを保存する機構,
・テキスト・ファイルをプリンタに送る機構,
・マニュアルを表示するための専用のウィンドウを開くアプリケーションを呼び出す
機構.
以上によって,ターミナル・ウィンドウに依らないOSから切り離された閉鎖的なプロ
グラミング環境を構成することができる.
3. ユーザ・インターフェースの統一
VUEはいくつかのアプリケーション群から構成され,それぞれが専用のウィンドウを
開くようになっている.VUEではアプリケーション間のインターフェース部を統一し,
ウィンドウの操作はその窓枠を用いてマウスのみを利用して行えるようにしてあり,ま
たどのマウス・ボタンを押しても同じ操作が行えるようになっている.
4. おわりに
現在,以下のような改良を加えたいと考えている:
・簡単な構文エディタを組み込む
−あるプログラミング言語の予約語を格納したファイルを用意し,プログラムの編
集時に予約語を強調することによって予約語の打ち間違いを減らす.
−あるプログラミング言語の文法を格納したファイルを用意し,プログラムの編集
時に文法検査をできるようにする.
・アプリケーションの充実
−メイルを読むアプリケーションの構築.
−マウス操作によりアプリケーションの窓枠を組み立て,そのソース・コードを出
力するようなアプリケーション構築支援アプリケーションの構築.
・日本語ドキュメントの作成
最終的には,プログラミング,ドキュメント管理を統一的に支援するシステムを実現
する.
後をよろしくお願い致します.
Best regards.